美容室でちょっと困る事

イケメンか、人間性か

たとえ美容師ではなくても、女性たちは男性を選ぶ時に顔の良さだけで決めるような事はしません。確かのどの人が良いか、と顔写真を並べられたら、いわゆるイケメンを選ぶ人が圧倒的に多いとは思われますが、いざ付き合いたい人を選ぶとなったら顔だけでは選ばないものですよね。美容師と言うのは、美容室の中では恋人になる様なものだと思うのです。美容室と言う空間で、その担当の美容師には、なんだって話せる、その人に施術してもらう間の時間がとても楽しいと感じる、その人に似あっている、と言われると嬉しい、またこの美容室でこの担当者にカットしてもらいたいと思う、など、恋人と会うのを楽しみにしている感じと似ていると思うのです。ですから誰に担当になってもらうか、と言う事を考える時に、決して顔の良さだけでは判断しないと思うんですね。恋人選びと一緒で、いくら顔が良くても性格が悪かったらいやになります。付き合っているうちにだんだんと「この人は顔だけだ」と思うようになってしまう事もあるでしょう。やはり美容師も同じで、顔以外の所で、いかに自分を居心地良くさせてくれるか、と言う事のウエイトも大きいと思うんですよね。たとえば言葉遣い、気遣い、センス、トークの内容、などという条件も重要になってくると思われます。かつて美容師になる、といったら、まずは錦糸町の美容室に弟子入りする、という感覚があったものです。弟子入りして「修行をする」と言う事がまず第一歩であった、と思われます。それがだんだんと消失してきて今の時代がある、と言っても良いかもしれません。住み込みで弟子入りした新人さんたちは、とてもストイックな生活をしていた、と言われています。もちろん最初から髪を切らせてもらう、なんてできるはずがありません。先輩の邪魔をしない様に、少しでも役に立つように、と神経を研ぎ澄ませた見習いをしていたようです。自分が成長しないと、どんどんと先輩のプライベートな時間が削られていってしまうのを目の当たりにするのですから、それは必死だった、と思われます。ただタオルをたたむ、と言う事だけでも、一枚でも多くのタオルをたたもう、一分でも早く終わらせよう、という気持ちを込めて取り組んでいた時代です。ですが現代ではそのようなまさに「修行」と言えるような実情は減ってきているのではないでしょうか。形式的にはあったとしても、そこまでのストイックさ、というものは求められなくなってきたように思われます。もちろん美容技術がいろいろな器具や薬剤の発達によって、美容師の手に頼らなくても良い、という部分も多くなり身に着けるべき技術、というものも減ってきたのかもしれませんけどもね。